古刹・惠済寺のイチョウは現在わずかに黄葉し始めており、枝先は緑から金色へと移り変わっています。まるで最後の力を蓄えながら、盛大な黄金の開花を待っているかのようです。例年の見頃は11月下旬から12月中旬にかけてで、まさにこれから最も輝く時期を迎えます。

惠済寺文化公園に足を踏み入れると、時間がゆっくりと流れ出すような感覚に包まれます。園内に立つ3本の古イチョウは、南朝・梁の時代に昭明太子・蕭統が自ら植えたと伝えられ、すでに1500余年の春秋を経ています。
古木の下で見上げると、透き通るような黄金色のイチョウの葉が、大きな傘のように天地を覆っています。歴史の重みと歳月の洗礼が、いま目の前に実在する姿となって現れ、力強い生命力を物語ります。


イチョウの木の下を散策した後は、隣接する「昭明茶室」でひと休みするのもおすすめです。ここは昭明太子が学びに励んだ学問の系譜を受け継ぐ場所で、立ちのぼる茶の香りの中、千年の時を超えた風雅な空気を感じることができます。

温かいお茶を手に、窓越しに金色の葉が静かに舞い落ちるのを眺めながら過ごすひとときは、時間がやさしく、ゆっくりと流れていくように感じられます。茶の香りと書の香り、そして窓の外で揺れる千年のイチョウが、この秋いちばんの贅沢な時間を演出してくれます。
ベスト観賞期: 11月下旬~12月中旬
住所: 浦口区 惠済北路と高華中心路の交差点から北へ150m
入場料: 無料
出典:南京文旅微信公衆番号、イラストの著作権は原作者に属している。